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手仕事と歌と、オチのない思索を愛する日々(しばらくは兄の死にまつわることを中心に綴る)


by silver_gypsy

かくて生きゆく

兄が死んでから人の死のニュースには敏感になっている。
しかもそれがまだ若年の人の死であったり、果たすべき責任を放棄するかのような自殺であったりすると、暗澹たる気持ちはますます深まる。
坂井泉水の死(自殺も取りざたされているようだが)、還元水大臣の自殺と、今日は朝からダブルパンチを食らってしまった。
女性として婦人科の疾患に無関心ではいられない。転移が少ないと言われる子宮ガンが肺に転移していたという話はなかなかのショックだ。
兄の病気だって、そもそも命にはかかわらないはずの良性の腫瘍だった。自分が生きているということ自体、実は絶え間ない綱渡りなのだということを思い知る。

今日の画像はチベット?の獣骨製ペンダント。兄の葬儀を終え東京から戻って数日後、偶然立ち寄った写真展の会場で見つけたもの。人の頭の下から根や葉のような物が伸びている、一見グロかつ象徴的なデザインにも惹かれたのだが、チェーンを通すための丸カンが頭を貫いている様が、脳髄に管を通されていた兄の姿と重なり、しかも素材は骨であり、何やら重い符合を突きつけられたようで、どうにも離れがたくなって買い求めた。以来キーリングに付けて毎日持ち歩いている。兄を記念し、思い出すために。そうでなくても思い出しているけど。
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毎日それなりに普通に生活しているが、ほとんど常に兄とその死について考えている自分にときどき気づく。でも「それなりに生活できている」ことの方を評価すれば良いのだろう。
もの作りの意欲も徐々によみがえりつつある。どんな時も、手を動かすこと、何かを作ることは私に力を与えてくれると思う。
そしてそれが両親にとっても同じであるように祈っている。
by silver_gypsy | 2007-05-28 23:34 | つれづれ